薪ストーブ入門

薪ストーブの種類と特徴

種類

代表的な筐体として、鋳鉄製(キャストアイアン)、鋼板製(スチール)、ストーン製(ソープストーン:天然石)の3種類あります。
重厚感、デザイン性、高級感など、素材によって印象が異なります。
欧米では、薪ストーブに対する厳しい排ガス規制が始まっています。
この規制をクリアした製品がエコデザイン認証の薪ストーブとして、今後の主流になると思われます。
鋳鉄のストーブは気密性確保の観点からエコデザイン認証がやや難しいとの見解もあって、これからは鋼板製がマーケットをリードするだろうと言われています。

素材/筐体

特徴

鋳鉄製

真冬の秋田であれば着火してから薪ストーブ自体が放熱するまで1時間ほどかかります。
しかし熱を蓄える力に優れているため、じんわりとした暖かさが持続するのが特徴です。

鋼板製

熱の立ち上がりが早く、鋳鉄製の半分以下のスピードで放熱が始まります。
熱いのがダイレクトに出てきます。

ストーン製

放熱が始まる順番はストーン製が一番遅くなりますが、蓄熱するため、
自然で柔らかな熱のシャワーのような暖かさを感じることができます。

薪ストーブと生活スタイル

生活パターンを選択の基準とした場合、
朝晩は焚いて、日中は利用しないというご家庭なら、
熱の立ち上がりが早い鋼板製に分があります。
日中も誰かが家にいて、一日中薪ストーブを利用するご家庭なら、
鋳鉄製やストーン製が向いています。

素材によるデザインの特徴もあります。
薪ストーブらしいクラシックなデザインに惹かれる方なら鋳鉄製。
シンプル&モダンがお好みなら鋼板製。
機能、デザインどちらも重視で、高級志向の方なら
ストーン製といったところでしょうか。

暖房のための道具とはいえ家具に限りなく近いため、
目指すインテリアテイストに合わせて
お選びになる方が大多数のように思います。

炉台と炉壁

環境基準認証の薪ストーブは、レンガ積み等の炉台工事を必要としません。
ただし、クラシックな鋳鉄製の薪ストーブには欠かせません。

薪ストーブの底からの熱を床材に伝えないためと、レンガなどの炉台に蓄熱させて、薪ストーブから
の熱との相乗効果を狙う場合もあります。薪ストーブの火を消しても、鋳鉄の薪ストーブ本体から放
熱が続き、炉台も一緒に放熱し続けるというわけです。

薪ストーブの背後の壁や側面などに耐熱レンガや石などを積んで作る炉壁は、最初に冷たいレンガや
石が熱を吸収して、なかなか暖まらないということが現実にあります。熱の立ち上がり重視の鋼板製
の薪ストーブでは意味がなくなりますので、炉壁をあまりお薦めしない理由がここにあります。
壁や床の保護のために鋼板製の炉台や炉壁を設置する場合もあります。

炉台があれば、薪ストーブ内の灰に紛れていた熾火が何かの拍子で落下しても、床が守られます。
石の炉壁は、大谷石のような気泡入りの軽いものが好まれます。秋田県内なら十和田石、珍しいとこ
ろでは院内石という例もあります。玉石を積み上げたり、常滑焼のタイル製という炉壁もございます。

炉台と炉壁

薪ストーブのメカニズム

二次燃焼

薪は温度が上昇すると可燃ガスが出てきます。
焚き火も薪ストーブもこのガスを使って燃焼しています。焚き火の場合、燃焼で発生したガスのうち、未燃焼ガスを全量、煙というカタチで大気中に排出します。
薪ストーブは、薪が燃焼する際発生した未燃焼の煙に空気を与えることで、再び燃やします。これを二次燃焼と言います。
構造的には空気をできる限り絞って、燃えすぎない(煙が出ない)ようにして、しつこく燃やすようなメカニズムが採用されています。
簡単に言えば、焚き火は薪に風を当てて単純に燃やし尽くすだけですが、薪ストーブは絶妙なエアコントロールで、最後の最後まで可燃ガスを燃やし切ってしまうという違いになります。
二次燃焼にプラスして、煙をさらに燃やすための通り道を作るのが三次燃焼の触媒です。しかし触媒は消耗品で、セラミックのパーツを平均5年に1回ほど、使用時間に応じて交換しなければいけなかったり、目詰まりを掃除しなければならないなどのデメリットがありました。
進化が著しい現在の薪ストーブには、触媒なしの高性能な製品が多数あります。

煙突の基本

役目

断熱二重煙突

煙突の役目は、もちろん煙の排出にあります。
しかし、現在主流となっている断熱二重煙突と従来のシングル煙突とでは比較にならないほど、機能的に大きな差があります。
普通、排気温度は、煙突の上に行けば行くほど下降します。薪ストーブの排気は、煙突内と屋外の温度差が大きいほどスムーズに排出されるため、暖房性能を最大限に引き出すには、排気温度を高温に保つことが最も重要です。排気温度をできるだけ下げないで熱い状態で煙を排出するために二重煙突が必須の理由です。
また、断熱性能が低い煙突は熱が放熱されやすく、煙突内部に煤が付着し、薪ストーブがその性能を十分に発揮することができないばかりか、煙突火災の原因にさえなりかねません。
さらに、壁や屋根裏周辺を通過する煙突は、可燃物が近くにあっても熱くならないようにしなければなりません。高性能な二重煙突はアウターケーシング(外筒)とインナーライナー(内筒)の間に断熱材を高密度に充填し、高い安全性を保証しています。

施工

チムニーフラッシング

煙突の直径は、150ø(6インチ)と200ø(8インチ)の2種類あります。
薪ストーブのサイズが大きくなれば200øを選択する場合もありますが、弊社の経験値から環境基準認証の薪ストーブであれば、直径150øを基準とし、長さは最低4.5メートルとしています。

建物の都合で、「曲がり」や「横引き」を採用せざるを得ない場合もあります。
排気効率が低下する「曲がり」や「横引き」でも、十分に乾燥した薪をご用意いただければ、まだ良いのですが、湿ったり、雪で濡れたりした薪を使うと、火着きの悪化や煙突掃除回数の増加など、影響が如実に現れます。煙突の設置は、できれば外壁に沿って配置するのは避けたいと考えています。
これは台風など極端な気象条件における破損や断熱層への水の侵入などのリスクを極力防ぐためです。
施工に関しては、天井を通って専用のチムニーフラッシング経由で屋根に立ち上げる方法をお薦めしています。

秋田など積雪地帯特有の「すが漏れ」を心配される方もいらっしゃいます。
私たちが採用するチムニーシステムは、日本での販売実績が30年以上にも及ぶ最高水準のメーカーの製品です。日本の住宅の建築構造と日本国内の各地域の気象条件の検証には定評があり、弊社でも秋田県内外において、数十件の施工実績があります。

すが漏れ

東北の方言で氷のことを「すが」と言います。
「すが漏れ」もしくは「すが漏り」とは、屋根や軒先に積もった雪が
室内からの熱で解かされ、一度氷になって、また解けて、屋根や軒の
すき間から浸水してしまうことを言います。

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薪ストーブ入門

薪ストーブの種類と特徴

種類

代表的な筐体として、鋳鉄製(キャストアイアン)、鋼板製(スチール)、ストーン製(ソープストーン:天然石)の3種類あります。
重厚感、デザイン性、高級感など、素材によって印象が異なります。
欧米では、薪ストーブに対する厳しい排ガス規制が始まっています。
この規制をクリアした製品がエコデザイン認証の薪ストーブとして、今後の主流になると思われます。
鋳鉄のストーブは気密性確保の観点からエコデザイン認証がやや難しいとの見解もあって、これからは鋼板製がマーケットをリードするだろうと言われています。

素材/筐体

特徴

鋳鉄製

真冬の秋田であれば着火してから薪ストーブ自体が放熱するまで1時間ほどかかります。
しかし熱を蓄える力に優れているため、じんわりとした暖かさが持続するのが特徴です。

鋼板製

熱の立ち上がりが早く、鋳鉄製の半分以下のスピードで放熱が始まります。
熱いのがダイレクトに出てきます。

ストーン製

放熱が始まる順番はストーン製が一番遅くなりますが、蓄熱するため、
自然で柔らかな熱のシャワーのような暖かさを感じることができます。

薪ストーブと生活スタイル

炉台と炉壁

薪ストーブのメカニズム

二次燃焼

薪は温度が上昇すると可燃ガスが出てきます。
焚き火も薪ストーブもこのガスを使って燃焼しています。焚き火の場合、燃焼で発生したガスのうち、未燃焼ガスを全量、煙というカタチで大気中に排出します。
薪ストーブは、薪が燃焼する際発生した未燃焼の煙に空気を与えることで、再び燃やします。これを二次燃焼と言います。
構造的には空気をできる限り絞って、燃えすぎない(煙が出ない)ようにして、しつこく燃やすようなメカニズムが採用されています。
簡単に言えば、焚き火は薪に風を当てて単純に燃やし尽くすだけですが、薪ストーブは絶妙なエアコントロールで、最後の最後まで可燃ガスを燃やし切ってしまうという違いになります。
二次燃焼にプラスして、煙をさらに燃やすための通り道を作るのが三次燃焼の触媒です。しかし触媒は消耗品で、セラミックのパーツを平均5年に1回ほど、使用時間に応じて交換しなければいけなかったり、目詰まりを掃除しなければならないなどのデメリットがありました。
進化が著しい現在の薪ストーブには、触媒なしの高性能な製品が多数あります。

煙突の基本

役目

断熱二重煙突

煙突の役目は、もちろん煙の排出にあります。
しかし、現在主流となっている断熱二重煙突と従来のシングル煙突とでは比較にならないほど、機能的に大きな差があります。
普通、排気温度は、煙突の上に行けば行くほど下降します。薪ストーブの排気は、煙突内と屋外の温度差が大きいほどスムーズに排出されるため、暖房性能を最大限に引き出すには、排気温度を高温に保つことが最も重要です。排気温度をできるだけ下げないで熱い状態で煙を排出するために二重煙突が必須の理由です。
また、断熱性能が低い煙突は熱が放熱されやすく、煙突内部に煤が付着し、薪ストーブがその性能を十分に発揮することができないばかりか、煙突火災の原因にさえなりかねません。
さらに、壁や屋根裏周辺を通過する煙突は、可燃物が近くにあっても熱くならないようにしなければなりません。高性能な二重煙突はアウターケーシング(外筒)とインナーライナー(内筒)の間に断熱材を高密度に充填し、高い安全性を保証しています。

施工

チムニーフラッシング

煙突の直径は、150ø(6インチ)と200ø(8インチ)の2種類あります。
薪ストーブのサイズが大きくなれば200øを選択する場合もありますが、弊社の経験値から環境基準認証の薪ストーブであれば、直径150øを基準とし、長さは最低4.5メートルとしています。

建物の都合で、「曲がり」や「横引き」を採用せざるを得ない場合もあります。
排気効率が低下する「曲がり」や「横引き」でも、十分に乾燥した薪をご用意いただければ、まだ良いのですが、湿ったり、雪で濡れたりした薪を使うと、火着きの悪化や煙突掃除回数の増加など、影響が如実に現れます。煙突の設置は、できれば外壁に沿って配置するのは避けたいと考えています。
これは台風など極端な気象条件における破損や断熱層への水の侵入などのリスクを極力防ぐためです。
施工に関しては、天井を通って専用のチムニーフラッシング経由で屋根に立ち上げる方法をお薦めしています。

秋田など積雪地帯特有の「すが漏れ」を心配される方もいらっしゃいます。
私たちが採用するチムニーシステムは、日本での販売実績が30年以上にも及ぶ最高水準のメーカーの製品です。日本の住宅の建築構造と日本国内の各地域の気象条件の検証には定評があり、弊社でも秋田県内外において、数十件の施工実績があります。

すが漏れとは

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